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IT人材の流動性: 半数以上が今後1年以内に転職を検

08 August 2025

JAPAN

人材紹介および人材ソリューションサービスを提供するヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン(本社:港区、マネージング・ディレクター:グラント・トレンズ、以下ヘイズ)は、日本のIT系人材の55%が今後1年以内に転職または派遣・契約社員や個人事業主への変更を計画しているという調査結果を明らかにしました。これは、ヘイズが最近発表したグローバルレポート『テック・タレント・エクスプローラー』(英語)での調査により判明したもので、IT人材市場における活発な動きが示唆されています。

2025年ヘイズアジア給与ガイド』では、71%の企業が過去1年間に中程度から深刻なスキル不足を経験したことが明らかになっています。したがって、従業員の流動性と慢性的な人材不足により、日本におけるプロフェッショナルなIT人材の獲得競争が激化していることが伺えます。

レポート『テック・タレント・エクスプローラー』では、世界32か国のIT人材約10,000人への調査結果および人材市場の分析を掲載しています。

主要調査結果における日本とグローバルの比較:

  • 日本の正社員のIT人材の55%が今後1年以内に転職を検討しており、グローバル全体の53%と同程度のトレンド。
  • 日本の正社員のIT人材の82%、派遣・契約社員/個人事業主らの58%が、海外に拠点を置く企業で働くことに前向き(グローバルではそれぞれ86%・83%)。
  • 37%が海外への移住に前向きであり、グローバルの50%と比較すると低め。

転職を検討する主な理由:

転職する際に求めるものとして、グローバルでは「雇用の安定(68%)」「キャリアアップ(42%)」「成果認識や評価(32%)」が挙げられています。一方、日本では「リモートワークの選択肢があること(73%)」「キャリアアップ(70%)」「成果認識や評価(70%)」がとされており、柔軟な働き方やキャリアでの成長、評価が重視されていることがわかりました。

スキル別の転職意欲:

スキル領域別に見ると、日本では「プロジェクト&チェンジマネジメント」の30%および「テクニカルまたはソリューションアーキテクチャ」に携わる11%が転職を検討しています。一方で、「クラウドコンピューティング」では、他社へ移りたいと答えた人がゼロであり、この要因としては同分野の職務が長期的なプロジェクトに関わる性質を持ち、その成果を見届けたいと考える傾向によるものだと推察できます。

採用競争の激しい職種:

日本国内で需要の高い職種は、ITコンサルタントおよびプロジェクトマネージャーとなり、次いでソフトウェアエンジニア、ビジネスアナリスト、データサイエンティストが挙げられます。候補者優位の市場が続き、IT人材が自身の価値をより自覚する中で、企業は優れたスキルを持つ人材を惹きつけ維持するために、より戦略的なアプローチを取る必要があります。

IT人材の越境意欲は高い ― 日本拠点の企業には好機:

本レポートでは、IT人材のグローバルな往来にも焦点を当てています。グローバルでは、正社員のIT人材の87%が次の職場として海外に拠点を置く企業で働くことに前向きであり、50%が海外への移住にも前向きです。日本における正社員のIT人材では、海外拠点での仕事への意欲が82%、移住意欲が37%であることに鑑みると、国境を越えた仕事への関心が日本ではやや低いことが示されています。これはむしろ、日本に拠点を置く企業にとって、国内での人材供給が限られているIT分野においてグローバル人材を活用する好機ととらえることができます。

ヘイズ グローバル STEM統括責任者 ジェームズ・ミリガン のコメント:

「世界のIT人材市場は、引き続き大きな変化を遂げています。半数以上が転職を検討し、その多くが国境を越えて働くことに前向きである今、企業にとってスキル人材の確保はこれまで以上に困難な課題です。

ヘイズの調査結果は、効果的な企業ブランディングの重要性、IT人材が雇用主に最も求めているものへの理解およびそれらに基づく雇用条件最適化の必要性を際立たせるものとなりました。

レポート『テック・タレント・エクスプローラー』は、企業がIT人材の採用・定着を戦略的に行っていくために必要なインサイトを提供しています。現在のIT人材の期待に合わせて報酬や労働条件を調整することで、革新と成長に不可欠な人材を惹きつけ維持するための説得力ある提案を構築することができます。

また、スキル向上も、人材戦略の重要な一部です。能力開発の機会を提供することは、社内のスキルを強化するだけでなく、長期的なキャリア成長への明確なコミットメントを示すことになり、トップレベルのIT人材にとって魅力的な企業となる要素となります」

ヘイズ・ジャパン マネージング・ディレクター グラント・トレンズのコメント:

「日本では、多くのIT人材が成長を求めて国境を超える視点を持ち始めています。ヘイズの最新レポート『テック・タレント・エクスプローラー』は、国際的な往来への関心が高まっていることを示しており、IT人材が新しい市場や先進的な技術、よりダイナミックなキャリアパスを求めている様子がうかがえます。

国際的な仕事に対する関心が高まっている一方で、海外進出への障壁も依然として存在します。グローバルな職場への移行を目指す人材は、多様な環境で成功するために必要なスキル、文化的な適応力、柔軟性を備えている必要があります。

世界中の企業にとって、これは課題であると同時にチャンスでもあります。国境を越えた人材の移動を支援し、能力開発に投資する企業は、グローバルな視点を持った人材を惹きつけ、維持し、活躍させるためにより有利な立場に立つことができるでしょう」

レポート『テック・タレント・エクスプローラー』概要

本レポートは、IT人材戦略において競争優位性を求めるリーダー向けに設計されたインタラクティブツールです。IT人材の可用性、所在地、期待値に関するデータを探索でき、給与や報酬のベンチマークとなる情報も確認できます。単なる報酬を超えてIT人材が最も重視する価値を可視化することで、競争の激しい市場や予算制約下にある状況でも、企業が人材獲得戦略においてデータに基づいた意思決定を行う材料にできるレポートとなっています。

本レポートの調査は2025年初頭に実施され、世界32か国における人材市場の分析および約10,000人のテック系専門職からの回答を収録しています。本レポートでは、正社員および派遣・契約社員/個人事業主に関するコスト、可用性、意向、希望、スキルの優先度について行った調査結果を公開しています。

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